最も古い記録
記録に残っている中では、１７９０年７月１７日にイギリスの家具製造業者であったトーマス・セントに英国特許１７６４号が認可されたのが最古となります。しかしこの最初のミシンの発明が世界中に広まったわけではなく、その後約８０年間もの間特許庁の書庫の中で眠っていました。その理由はこの画期的な考案が機械としてでは無く衣料品の部門に分類されており、 誰にも注目されることなく長い年月書庫の中で忘れられていたからです。このトーマス・セントの考案はそれから８３年後、ロンドンで機械製造業を営んでいるニュートン・ウイルソンに見つけられるまで、誰にも気づかれないまま表舞台へ現れることはありませんでした。
最も古い記録
記録に残っている中では、１７９０年７月１７日にイギリスの家具製造業者であったトーマス・セントに英国特許１７６４号が認可されたのが最古となります。しかしこの最初のミシンの発明が世界中に広まったわけではなく、その後約８０年間もの間特許庁の書庫の中で眠っていました。その理由はこの画期的な考案が機械としてでは無く衣料品の部門に分類されており、誰にも注目されることなく長い年月書庫の中で忘れられていたからです。このトーマス・セントの考案はそれから８３年後、ロンドンで機械製造業を営んでいるニュートン・ウイルソンに見つけられるまで、誰にも気づかれないまま表舞台へ現れることはありませんでした。
ウイルソンが復刻
１７９０年にトーマス・セントの考案した特許が認可されてから８３年後の１８７３年、ニュートン・ウイルソンは自分の製造品の件で特許庁に書類を調べに行きました。そこでトーマス・セントの発明に出会うことになります。ウイルソンは５年の歳月をかけてその考案の記録と図面を調査し、トーマス・セントのミシンを手作りで再現することに成功します。 その復刻版ミシンを１８７８年にパリで開催された万国博覧会に出品することで、 それより８８年前にトーマス・セントによって発明されていたことが人々に明らかにされたのです。 ですが同時に、アメリカの実用的なミシンも万国博覧会に多数出品されていました。トーマス・セントの考案が書庫で眠っている間に、すでにアメリカではミシンが普及していたのです。
注目されなかった時代
ヨーロッパでは１７９０年のトーマス・セントによる最初の発明から １８４０年頃まで、ミシンの発明の歴史は続きます。 当時はフランス革命やナポレオンの登場など、ヨーロッパはまさに戦国時代でした。 もしトーマス・セントの発明が衣料品の分類ではなくミシンとして製品化されていたのなら、イギリスは先進工業国として、今とは全く違った発展を遂げていたかもしれません。 トーマス・セントの功績が報われなかったのは、その考案が衣料品に分類されていたからと考えられています。 あるいはももう少し落ち着いた時代であれば、衣料品に分類されていても誰かの目に触れたかもしれません。